● なぜ人はがんになるのか(原因は、低酸素と冷え)

 ところで、人はなぜがんを患うのでしょうか。
 がんの原因はわかっているのでしょうか。

 この疑問に対して、新潟大学医学部大学院教授の安保徹教授は、「人はなぜがんになるのか?それは決して難しいものではなく、働き過ぎや心の悩みによるストレスと、それによる血流障害、すなわち低酸素、冷えが原因」と言っています。

 がんは、ストレスによって自律神経の中の交感神経の緊張が持続的に緊張し、低酸素・低体温(冷え)の状態が日常化したとき生まれます。人の細胞が活動するためには、一定の温度と酸素が必要ですが、体内でこの環境が得られなくなると、この条件に適応した新しい細胞を作り出します。それががん細胞です。

 がん細胞は、身体に悪さをする存在ではなく、生きにくい生体内の環境に適応しようと、低酸素・低体温(冷え)でも最大限エネルギーを発揮できる細胞として増殖しているのです。


● 有酸素・無酸素とがんの原因

  私たちの身体で使うエネルギーは、主に炭水化物が消化されたブドウ糖から、エ有酸素・無酸素とがんの原因ネルギー通貨と呼ばれるATPという形で作られています。生体は、ATPがADPに分解される時に、放出されるリンエネルギーを利用しています。

 細胞の中には、「解糖系」と「ミトコンドリア系」と呼ばれる、性質の異なる二つのエネルギー生産行程があります。
 解糖系は、瞬発力が必要な時(例えば全力疾走している時)に働きます。ブドウ糖を分解するだけの単純なシステムで、酸素が必要なくすぐにエネルギーを作り出せるのが特徴です。しかし、一度に作り出せるATPはたった2分子で、同時に乳酸などの疲労物質も副産物として作られてしまいます。

 一方、ミトコンドリア系は、持続力が必要な時(例えばウオーキングなど)に働きます。解糖系で分解された栄養素に加え、酸素を沢山使って、36分子という大量のATPを作ることが出来ます。しかし、エネルギーを作り出すためには、沢山の行程が必要で、時間が掛かります。

 現代人は長時間労働や心配事で、持続的な交感神経の緊張状態が続いています。交感神経の緊張は、末梢の血流を低下させるので、組織中では、低酸素・低体温の状態に陥り、解糖系のエネルギー産生に頼らざるを得なくなります。正常細胞は低酸素・低体温(冷え)の環境下で、解糖系のみのエネルギー産生に頼って生存することは難しく、その代わりにミトコンドリア系のエネルギー生産システムをほとんど持たないがん細胞が増殖し始めるのです。

 がん細胞は、ミトコンドリアをほとんど持たず解糖系でエネルギー生産をしている細胞で、ストレスや運動不足で生じた体内組織の低酸素・低体温(冷え)環境に適した細胞といえます。
 がんは、現代人特有の交感神経の異常緊張からの血流低下(冷え)が、原因の一つとなっているのです。


● ストレス、免疫とがんの関係

 免疫とは、私たちの身体の中に備わっている、細菌、ウイルス、がん細胞などの攻撃を防御するシステムで、その中心的枠割りを果たすのが白血球という血液中ストレス、免疫とがんの原因の成分です。白血球の中のリンパ球は、休息中や睡眠時など、副交感神経が優位な時現れて、ウイルスやがん細胞などを処理しています。

 一方、ストレスで交感神経が優位な時は、白血球の中の顆粒球という細胞が、増殖します。顆粒球はサイズの大きい細菌を処理しますが、攻撃の際、活性酸素を放出するので増えすぎると、組織を傷害して炎症を起こします。活性酸素による炎症は、遺伝子を傷つけがんを発生させます。

 大人になって働き出すと、長時間労働、ストレス、睡眠不足などといった、交感神経が持続的に緊張しているような生活に陥りやすくなります。交感神経優位の生活は、がん細胞を排除する免疫システムを抑制してしまうだけでなく、低酸素・低体温というがん細胞しか生きられない条件を作り出すと共に、活性酸素によるがんの発生を引き起こします。白血球の状態で言えば、顆粒球の割合が50~65%、リンパ球の割合が35~41%と言うのが健康な状態です。

 ストレスフルなこのような生活に身体が耐えられるのも30代までです。40代になっても、生き方を変えずにストレスを掛けながらがんばり続けると、活性酸素になどのフリーラジカルによる細胞の障害が大きな原因となって、やがてはがんを患ってしまうのです。

 「1.末期がんから生還した人たち 」の項目で、進行がんから生還した患者さんのアンケート調査では、がんを克服した理由に「考え方」が一番に上げられていました。考え方が変わるとストレスの掛かり方も随分と変わるものです。生きる意欲が生命力を高めたことと、心が穏やかになり異常な交感神経の興奮が取り除かれたことも、がん克服の大きな原因なのでしょうね。
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