● 西洋栄養学による食習慣の欧米化が、がんの原因を作る

 私が生まれたのは1960年ですが、60年以前と、現在の日本人の食事を比較してみると、大きな違いが見られます。食生活の欧米化ががん体質を作るまず、高たんぱく高脂肪化が進んだことと、食物繊維の摂取量が低下したことです。1955年ごろまでは、日本人はたんぱく質を主に米からとっていました。それが1960年代からの食生活の急激な変化にともなって、今では摂取たんぱく質にしめる動物性たんぱく質の割合が40%にまで増えました。

 一方、食物繊維摂取量は、40年前の4分の1になってしまいました。食物繊維は脂肪、過酸化脂質、毒素や有害物質の吸収を抑えます。
 また、腸内細菌叢のバランスも整って、腸管免疫を正常化します。食物繊維の不足は、肉類の過食化とあいまって、アレルギー疾患、高血圧症、肥満症、慢性便秘、下痢、糖尿病、心臓病、大腸がんなどの多発につながりました。

 これらは、戦後、西洋栄養学にのっとって食習慣が欧米化した結果です。西洋栄養学は、病気の治療、寿命の延長に大きな成果をあげたのは確かですが一方で、カロリーと栄養素中心の弱点があり、日本においてもこのような結果が生じました。

● 東洋医学をベースにしたがんの食事療法

 東洋医学における食養生は、他の生物の精気をいただくという考えがあります。食材となる生き物が大自然の中で生長するあいだに得た大地のエネルギーや太陽から降り注がれたエネルギーを、食事を通していただくということです。

 食養生において、食材の組み合わせの基本は、玄米などの穀物類を主食として、それに加え副食に豆類や旬の野菜、海藻類も摂ります。出来るだけ自然のかたちに近く、あまり精製・加工されていないもののほうが望ましいのです。玄米や大豆は、そのまま上にまいて水をやると、芽や根が出ます。生命力がそのまま凝縮されているというか、生きていくための全ての栄養素が含まれている一物全体食なのです。それをそのまま大切にいただくことが、食養生の基本となります。
 東洋医学で精気とは、私たちの身体を構成する気血の元になる基礎物質です。他の生物の生命を絶って、その生物の精気を私たちが生きていくために利用するのです。ですから、食事は季節の生き生きとした食材を中心に、感謝の気持ちで楽しくおいしくいただきくことが食養生につながっていくのだと思います。

 食事は、空腹感を満たすという本能的原始感覚で生命を維持する目的から、今日では美食とかいわれますように、味覚を満足させる目的に変化してきました。その結果、過食が増え栄養過多になって、栄養が体内に過剰に蓄積されるようになりました。また、東洋医学が発達してきた昔とは違って、意識しないでいると、沢山の化学物質が、体内に侵入して来る時代になってしまいました。アレルギー疾患やがんとの関係が指摘されている農薬は、国民1人当たり、年間約10キロも使用されています。日本人が1年間に摂取する防腐剤、添加物、人工着色料などの化学物質は、これまた約4キロと推定されています。

 最近では「デトックス」いう言葉が流行りだしていますが、東洋医学では太古の昔から、栄養などを「補う」ことと同じくらい、「捨てる」ことも重視して来ました。不要なものはどんどん捨てて、体内の気や血の流れをスムーズにさせることが大切です。
 日々の食養生の中でできる「捨てる食養生」の第一歩は、食べすぎないことにつきます。腹八分のほうが満腹より解毒器官に負担を掛けないですし、また細胞分裂がゆっくりとなるために、長生きができます。

 また、福島原発以降、これら農薬や化学物質に加えて、放射性物質のことも考慮せざるをえなくなりました。放射性セシウムは生体内では、カリウムと誤認してますので、安全な緑黄色野菜でカリウムを十分補給し放射性セシウムを取り込まないように、放射性ストロンチウムはカルシウムと認識してしまいますので、安全な形でのカルシウムを摂るように心掛け、身体に良くないものは出来るだけ入れない、食物繊維を排除するには、食品のその素材を一つ一つ吟味して選んで、できるだけ、家庭で調理する意外に防御策はありません。特に子供達は、放射線感受性が大人の100倍敏感だという研究結果もあるくらいです。特に、子供をお持ちのご家庭では、加工食品に頼らず、手作りの家庭料理を食べさせて欲しいものです。
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