●中高年層に多くなる人間特有の病、痛い・ツライ・出血する痔疾

痔疾の主原因はは「うっ血」!
 二本足で立って生活している人間には、肛門部が心臓よリも低い位置にあります。そのために、肛門部|こ張り巡らされている静脈に圧力がかかりやく、うっ血が生じてきやすいのです。
 更|こ便秘や妊娠、食生活など様々な要因が関連して色々な痔疾が生じてきます。
 
そして、この他にも、
  • 痔疾は血管にアレルギー反応を起こした場合、
  • 肝臓が炎症を起こした場合
  • 腹部臓器に炎症を起こした場合
  • 心臓の働きが鈍った婦合
などにも起こって<るように、その原因や誘因が沢山あリます。

○痔疾の患者は、肝臓病とともに増加

 今、改めてこの痔疾の患者数を「厚生省 患者調査」をもとに調べてみると、痔疾の患者は20歳代役半から増加し始め、高齢にこなるにつれてどんどん増加していることが良く分かります。
しかも、下のグラフから見ると、痔疾は肝の疾患と共に増加しているのが一つの特徴として現れています。

高齢になるほど痔の疾患が増加痔の疾患は肝の疾患と共に増加

 この事実から、痔疾は肝臓に炎症が起こりやすくなることや、肝臓の代謝機能が低下したりすることも、原因になつているようです。
 その他、痔疾の様々な原因を知った上で根本的な治療法を考えていこことが大切なのです。


●痔疾はどんな病気

 痔疾は肛門周辺部位に起こる病気ですが、その原因には体内の様々な臓器が関連しています。
 これらの関連(構造)と痔疾の種類について説明しましょう。

○肛門の構造と血液の流れ

肛門と血液の流れ


○あなたの痔はどんなタイプ?

1.痔核(いぼ痔) 2.脱肛(ぬけ痔)
痔核(いぼ痔)   脱肛(ぬけ痔)
3.裂肛(切れ痔) 4.肛門周囲膿瘍
裂肛(切れ痔) 肛門周囲膿瘍
5.痔痩(あな痔) 6.肛門ポリープ
痔痩(あな痔) 肛門ポリープ

○便秘の種類、原因、症状は?

 便秘とは、大腸内に大便が停滞し便の通過が遅延して、通常のその人の排便習慣より、著しく排便回数が減少した状態を言います。
 この便秘を分類すると次のようになります.

分類 原因 症状
機能性便秘 弛緩性便秘 大腸の蠕動運動・緊張が低下するために、大便の移動が大幅に延長し、必要以上に水分が吸収され
るので、少量の硬い便しか形成されず、直腸まで充分量の便が到達しないために起こります。
老人・長期臥床者・無力体力者などにみられます。
腹痛は少なく、腹部膨満などの漠然とした訴えを多いです。
直腸性便秘 直腸に大便が移動し、直腸壁が拡張されて便意を生じても、常に便意を抑制していると、便意が生じなくなり、直腸ないに大量の便が溜まることによって起こります。 不規則な排便週間、旅行、運転手、痔などで、便意を抑制する人に見られます。
また、老人、無力体質者などに生じることもあります。
痙攣性便秘 大腸が痙攣性に収縮し、大便の通過が障害することによって起こります。 過敏性腸症候群の便秘が最も多くなっています。一般に1回の便量が少なく、便が細く、時にコロコロ便になります。
また、腹痛があり、便意は強いが排尿困難あるいは不十分で残便感を訴えることがあります。
器質性便秘 大腸の内腔が何らかの原因によりよリ狭くなったため、ほ大便の通過が障害されたときに起こります。
原因として、腫瘍、クローン病等の炎症疾患、癒着性イレウス等の疾患があります。
腹痛を伴うことが多いものです。


○急性、慢性による便秘の分類

 便秘は、その起こり方から、次のような分類をする場合もあります。

○急性便秘・・・生活環境の変化(例えは旅行)、食物の変化、脱水、身体活動の低下など一過性にみられる便秘です。
○慢性便秘・・・長期にわたって訴えられる便秘で、常習便秘と症候牲便秘に更に分かれます。
   ・常習性便秘・・・機能性便秘にあたります。
   ・症候性便秘・・・器質性便秘にあたります。


このように、便秘は機能性便秘と器質性便秘に分かれますが、便秘の大部分を占めるのは機能性便秘になります。


●現代医学での便秘対策は

現代医学では、便秘対策として器質牲便秘の場合は、まず原因疾患の改善(治療)を行ないます。
 一方、機能性便秘の場合は、下剤等での薬物療法を中心に考えます。
 そこで、この薬物療法についで説明していきましよう。


○下剤の働き

下剤とは、腸内容物の排出を容易にする薬物の総称で、腸管での水分の吸収抑制・分泌促進により腸管内に水分の蓄積をもたらし、陽内容物を軟化させ、また陽管蠕動を冗進させて、便の排泄を促進します。
下剤はその働き|こよって以下のように、大き<分類されます。

分類 薬品名 働き
浸透性下剤 塩類下剤 硫酸マグネシウム
硫酸ナトリウム
腸管から吸収されにくい塩類で、腸内水分及び分泌液の吸収を妨げ、腸管内に水分を貯留させて腸壁を刺激し、排便させます。
刺激性下剤 小腸下剤 ヒマシ油 胆汁で乳化され、リバーゼによってリシノール酸とグリセリンになリます。
このリシノール酸が、小腸粘膜を刺激して排便させます。
大腸性下剤 アントラキノン系 センナ、大黄などの生薬の有効成分(センノシド、クリソファノール、エモジン、レイン等)がこのアントラキノン系の成分に含まれます。
これらの成分は小腸で吸収された後、血液を介して、大腸に再び分泌されます。そして、腸内細菌によって分解され、大鵬の蠕動運動を促進して排便させます。
フェノールフタレイン 腸内で溶けて、大腸の蠕動運動を亢進して排便させます。
ピサコジル 小腸から吸収、肝臓で代謝された後、胆汁中に分泌されます。そして、腸内細菌により分解され、大腸の蠕動を亢進させ、排便させます。
ビコスルファートナトリウム 胃・小腸で分解されず、大腸で腸内細菌の酵素作用によって分解され、大腸の蠕動を亢進させ、排便させます。
その他下剤 膨張性下剤 カルポキシメチル
セルロースナトリウム
腸管で消化吸収されず、水分を吸収して膨張することにより、腸管を機械的に刺激して、蠕動を亢進させ、排便させます。
浸潤性下剤 ジオクチルシジウム
スルホサクシネート
界面活性作用で大便の水分含有量を増加させ、軟化・膨張させて排便させます。


○下剤の問題点

 これらの下剤を常用しますと、人間の身体は下剤の刺激なしには便意が起こらなくり、腸の蠕動も生じなくなってきます。
 これは、人間の腸が本来怠けもので、何か刺激を強く受けないと働かなくなってしまうということを意味します。
 つまリ、下剤を使用して排便する癖をつけると、我々人間の身体は下剤を手離せない身体になってしまうのです。
 特に若い時から、下剤で排便させる癖を身体につけることは、高齢者|こな.った時の排便治療に多くの問題を残すことになリます。

●漢方での便秘対策は

 漢方では便秘対策として、便秘を起こす原因や便秘の種類などを考えて、それに対処する漢方処方を選び出すことを基本|こ考えます。
 そこで、この治療に必要な漢方処方について説明していきましよう。

○便秘を起こす原因

胆汁分泌が困難 胆汁を作り出す肝臓が炎症等を起こすと、胆汁を充分作り出すことが出来ません。
小腸に胆汁が分泌されない 食物の消化を手助けしたり、腸の蠕動運動を促進させて、排便をスムーズにさせる胆汁が、腸内に不足するとと便秘になってしまいます。
腸の働きが悪い 腸の働きが強すぎても、弱すぎても大便がうまく運ばれずに便秘になってしまいます。
精神的ストレス 精神的なス卜レスが続いたりして、神経がいつも緊張していると、胃腸の働きも緊張してギクシャクとした動きになり、排便しにくくなります。
血液の巡りが悪い 腹部の血行が悪いと栄養も運ばれず、腸は充分に働くことが出来ず大便が腸内に滞ってしまいます。
胃の働きが悪い 胃で分泌される胃酸が少なすぎると下痢をしたりしますが、反対に胃酸が、反対に胃酸が多すぎると便秘しやすくなります。


○漢方で考える便秘の種類

◎実性(充実型)の便秘

 ガッチリ筋肉質型の比比較的体力のある人に起こる便秘!
 [原因]
  腸の動き(機能)が強すぎて、大便の水分を腸の熱(炎症熱)で取ってしまう為、腸内の大便が硬く  なり、動けず、便秘の状態を呈します。
 [症状]
 1,2日排便出来ないと強くのぼせたりして不快感が出て来ます。
 このタイプには、強い下剤で腸を刺激し、腸の蠕動運動を盛んにしてやると、気持ち良く排便し、スッキリします。
 現代人には、少ないタイプです。


◎仮性(虚弱型)の便秘

 腸が怠けていて、大便を送り出す力が弱っている人に起こる便秘!
 [原因]
  体力がなく、腸の蠕動作用の怠けている時、又腹部臓器全体の機能が衰え、血行不良を起こしている時等、便秘の状態を呈します。
 [症状]
  3,4日排便出来なくても、のほせたりせず、全く気になリませんが、下剤等を使うと排便の時、腹痛したり、下痢したリします。

 このタイプには、腸にエネルギーを与えて保養しながら、便を出させる様にする方法が必要です。
 現代人に、特に貧血型の女性に多いタイプです。


●漢方医学からみた原因別漢方薬

胃の働きが悪い 胃酸過多症 便秘 胃の亢進を鎮める。
例:三黄瀉心湯など
腸の働きが悪い 体力がある
(実性便秘)
腸を刺激し、蠕動運動を盛んにする 大黄剤
例:承気湯類など
体力がない
(仮性便秘)
腸を刺激せずに、腸に体力を付ける 人参剤
例:六君子湯など
血液の巡りが悪い 体力がある
(実性便秘)
冷やす 桂枝茯苓丸など
体力がない
(仮性便秘)
温める 当帰四逆散、四物湯など
小腸に胆汁が分泌されない 胆汁分泌を促す 動物胆など
胆汁分泌が困難 肝臓が炎症を起こしている 肝臓の炎症を鎮める 柴胡剤
例:柴胡桂枝乾姜湯、大柴胡湯など
精神ストレス 自律神経が乱れる 杏仁剤


 便秘を起こす原因や便秘の種類を考えて、漢方薬を選薬していけぱ良いのですが、一口で漢方薬を選び出すとは言っても案外難しいものです。
 ついつい、便秘の原因や種類を考慮せず、大便を出すだけの方法として、大黄剤を安易に使用してしまっているようです。
 しかし、漢方薬としての大黄剤と言えども、大黄に刺激性下剤のアン卜ラキノン系の成分が含まれていますので、安易な使用方法ではかえって大黄剤に頼ってしまう身体にしてしまい、根本療法にはなりません。
 また、現代人には、腸の弱い仮性便秘の病人も増えていることを考えますと、実性便秘向きの大黄剤を使用すると、かえって腸に負担をかけて、腹痛等を起こしてしまいます。


●現代人に必要な便秘の漢方処方は

 現代人に多い腸の弱い便秘(仮牲便秘)に対しても負担にならず、便秘を起こす原因それぞれ|こ対応する生薬を配合し、便秘の根本改善をはかるようにした現代人向けの漢方処方が必要な時代になっています。
 現代人の便秘体質に必要な漢方処方の構成を、薬物の働きから、以下に紹介します。

厚朴 のぼせやイライラなど便秘による不快な気分を除きます。
芍薬 高ぶった中枢神経を鎮めると共に、末梢神経を興奮させ排便しやすくします。また、腹部の血行を改善します。
枳実 自律神経を整え、腸の働きを正常にします。
大黄 腸を動かして便の排泄を促進します。
但し、腸への刺激を考え、大黄の種類、量のの検討が必要です。
動物胆 便秘の原因となる胃酸過多を抑え、また腸の蠕動を促し、排便がスムーズになります。
D・S・S 便を柔らかくし、腸壁との摩擦を減らします。


●現代女性の便秘改善には、血行改善を

 厚生労働省、国民生活基礎調査から調べてみると、男性と女性で便秘で悩む方々の比率は1:3で女性が多いという結果が出ています。
 更に、この結果を詳細に見ますと、中学生頃の年代より便秘は徐々に増え出し、60歳代以上の高齢になると便秘は、更に増加の一途をを辿っています。
 
 と言うことは、60歳代未満の世代では、女性に便秘が圧倒的に多く、またこの世代の女性は冷え・血行不良等の女性病で悩んでいる方も多いことから、女性の便秘対策には、血行の改善が不可欠な要素と考えて良いわけです。
 20歳代~50歳代の便秘は女性に多く、この年代の女性は血行障害も絡むことが多いことから、女性の便秘の改善には血行改善対策を考えておくことが大切です。

 つまり、漢方薬の四物湯などで、ホルモン分泌を整えながら腹部の血行を促し、上記のような大黄‐D.S.Sの量の加減で排便を促すということになります。
 婦人科系疾患(月経異常、専年期障害、貧血など)は、血の道の病と昔から言われ、今も多くの女性はこれら血行不良や冷え症、肩こり、便秘など女性特有の苦情で悩まされています。

(注意)
薬局製造医薬品として厚生労働省で認められている漢方処方の配合比や、構成生薬を変更することは、無許可医薬品製造に当たり、法律で厳しく罰せられます。上記の内容の漢方処方は、一般用医薬品として厚生労働省の許可を受け製造されている漢方処方です。


サブコンテンツ

このページの先頭へ