●加齢やストレスで増え続ける腎臓病

腎臓病による患者数推移 食の欧米化、飽食の時代の中で代謝・排泄も乱れがち。益々増える腎臓病、この腎臓と切っても切れない関係にあるのが肝臓です。
 腎臓と肝臓に起こる病気について、厚生省「患者調査」のデータを調へてみますと、腎臓病による患者数も、肝臓病患同様、確実に増えていることが、右のグラフからわかります。

 また、下の腎臓病、腎炎とネフローゼについての年齢別のグラフから、ピークが10歳代以下の若年層と40歳代以上の中高年層の2つにあることがわかります。 従って、それぞれの対象を考えて、身体に合った腎臓病漢方薬お薬を選ぷ必要があります。
 肝臓と腎臓は密接な関係にある臓器です。更に肝臓ぱ沈黙の臓器”とも言われるように症状が出にくい臓器でもあるのです。
 手遅れになる前に腎臓病の対策を考えましよう。

腎炎とネフローゼについての年齢別のグラフ

●どんな病気?腎臓病

 腎臓は大人のにぎりこぶしくらいの大きさで、そら豆の形をした臓器です。
 左右に1つづつ、合計2個あり、人体の排泄処理工場とも言われる臓器です。
 そこで、腎臓の働きと腎臓に起こる病気について見ていくことにしましよう。

1.腎臓の働き

A 排泄作用

 腎臓では、身体に不必要な老廃物や、肝臓で解毒され毒性の少なくなった有毒物質などが尿として排泄されます。
これが排泄処理工場とも言われるゆえんです。
 また体液のバランスを崩すもとになる余分な水分や塩分、老廃物についても尿として排泄していきます。
 従って、この腎臓の働きが不十分になると体内に毒累が溜るようになり、肝臓をはじめ身体のあちこちに負担がなかるようになります。

B 水分・電解質の調節

 食物の量や質などに応じて水分や電解質の量を調節するため、体液の量や組成は常に一定に保たれるようになっています。
 これを体液の恒常性(ホメオスターシス)と言います。
 腎臓には血液量を感じる部位があり、血圧に関するホルモンの分泌を調節しているため、腎臓の機能が悪<なると血圧が上昇し、高血圧になる場合があります。

2.腎臓に起こる病気

A 急性腎炎(糸球体腎炎)

(原因)
 のど風邪や扁桃腺炎、肺炎、中耳炎などの上気道感染に続いて発症する。
 細菌感染後1~3週間<らいで発症することが多い。

(症状)
 糸球体に炎症が起こるため、腎臓でつくられる尿量、又排泄される尿星が減る。
 のどの痛みや発熱の後、高血圧、むくみ、蛋白尿、血尿などが見られる。
 一般的に治りやす<、発病後1~2ヵ月のうちに症状が消失し、8~9割が治癒してい<。
 特に、小児の場合は成人に比べて治癒しやすい。
 しかし、一部が治りにくい慢性腎炎に移行する。

B 慢性腎炎

(原因)
急性腎炎が治らず悪化したものや、発病時期が不明なもので、尿検査により蛋白尿や血尿が1年以上も続<場合をいう。
子供よりも大人というように、年齢が高<なると発症率も高<なる。

(症状)
特有な自覚症状は殆どないが、腎機能低下むら時には腎不全へと移行する。

C ネフローゼ症候群

(原因)
血液のろ過に働<糸球体の障害により、ろ過された蛋白質の再吸収が間に合わなくなり、しまいには尿中に多量の蛋白質が漏れ出る。
子供の場合は原因不明の原発性のものが多<、大人の約半数は腎炎ひら起こってくる。

(症状)
典型的なネフローゼは小児に多<、足や顔のむくみが見られるのが特徴で、多量の蛋白尿が続<と低蛋白血症、高コレステロール血症などが見られる。
従って、これらの症状を起こす病気をまとめて、ネフローゼ症候群という。
一般に発病率は大人より子供の方が高いが、子供は治りやす<、大人は治りにくい傾向にある。

D 腎不全

(原因)
腎臓に異常が起こって、体液の恒常性(ホメオスターシス)を維持する働きが低下した状態。

(症状)
乏尿や無尿の場合はむくみが起こるのが一般的で、進行すると尿毒症を起こすこともある。
一般的な症状は、食欲不振や動悸だが、けいれんなどの重い症状も現れることがある。

E 腎盂腎炎

(原因)
多<は一般細菌感染による炎症。

(症状)
急性時には発熱、頭痛、全身倦怠感、排尿障害などを伴うが、慢性時には必ずしも自覚症状を伴うわけではない。
尿道が男性に比べて短いため、特に女性に多<発症する。膀胱炎がきっかけとなって腎孟腎炎が起こりやすい。

3.腎臓機能検査

 腎臓機能検査法は多種類ありますが、実施に当ってはいくつなの項目を組み合わせ、尚かつ病歴及び尿、血液、浮腫、血圧、眼底等の状態も含め、総合的に腎機能障害が判断されています。
 ここでは、腎臓機能検査法の中でも頻繁に実施される重要な検査を採り上げました。
腎臓機能検査

●現代医学での腎臓病対策

 現代医学においての腎臓病対策としては、下記のように様々な方法がとられています。
 しかし、いずれも病変進行の阻止や障害部位の治療をはかるようなものはなく、補助的に働くものが中心となっています。
 つまり、腎臓病に対する積極的な治療法はないのが現状です。
 腎臓病に対しては
一般的に、それぞれの症状に応じて、次のような薬物を用います。
腎臓病に使用する薬物

 その他、様々な症状の対症療法として、高血圧には降圧剤、痛みには鎮痛剤や鎮痙剤、又、強心剤や血管鎮痙剤などが使われます。
 更に、腎不全のように症状が悪化してくると透析が必要になってきます。
 このように、現在の腎臓病対策は一般療法や食事療法を主体とした消極的な庇護療法を基本方針としています。

●漢方薬での腎臓病対策は

 昔から肝臓病や腎臓病に対しては、その病状や体質に応じて、諸種の漢方薬が使い分けられてきました。
肝臓病に用いる諸種の漢方薬腎臓病に用いる諸種の漢方薬


 その後時代び進むにつれ、古人の経験の積み重ねにより、以下のような腎臓病漢方薬が生み出されてきました。
肝臓と腎臓の両方に働く漢方薬


 では、このように肝臓と腎臓の両方に働く漢方薬が考え出されたのはなぜでしょう?

 人間の臓器は単独で働くのではな<、いろいろな臓器が互いに助け合っています。その中でも、肝臓と腎臓の関係を見てみると、肝臓が故障し、解毒されなかった毒素が腎臓を刺激して、その機能を弱めてしまいます。

 また、腎臓が故障し、腎臓で排泄できななった毒素が肝臓に回ってくると、肝臓はいくら解毒しても追いつかず、肝臓が過労してしまいます。
 即ち、肝臓・腎臓いずれか一方が悪くなると、もう片万の臓器にも悪影響を与えてしまうのです。

 従って、肝臓・腎臓の病気はそれぞれを単独で治すだけでは不十分であり、両万の働きを良<する方法が、より効果的なのです。

 ところが、古くからの腎臓病漢方薬では、現代人の体質に適合しない場合もあることが分かってきました。
 そこで、従来の腎臓病漢方薬における利点を取り入れて、現代の薬理の考え方を加味した肝臓と腎臓の働きを共に助けていく現代人に合った腎臓病漢方薬が必要な時代になってきました。


●現代人の腎臓病に合った漢方薬の1例「新茵陳五苓散」

 新茵五苓散は、従来からの漢方薬治療を元に肝臓・腎臓、双方の働きを整えるために、以下の九種類の生薬から構成された現代人向けの肝臓病漢方薬です。
現代人向けの肝臓病漢方薬

 腎臓病漢方薬の新茵陳五苓散が、全ての腎臓病患者さんに合う漢方薬ではありません。東洋医学的な診断を十分行って、証を確認した上で、腎臓病漢方薬を選択する必要があります。


●腎臓病漢方薬 新茵陳五苓散の薬理実験結果

 では、腎臓病漢方薬、新茵陳五苓散が肝臓や腎臓に対してどのように働<かを、動物実験の結果から考えてみましよう。

A 腎臓病漢方薬で、体内の不良水分はどうなるか?

【実験】
 肝臓と腎臓はお互いに影響を及ぼしあっているので、肝臓の機能が低下するとその負荷が腎臓にかかってくるため、体外に不要なものを排泄する小便の量が減り、浮腫が現れてきます。
 よって、肝臓に傷害を与える物質であるエタノールと四塩化炭素を大量に投与し、肝臓機能を低下させた後の尿の排泄量を調ぺました。
腎臓病漢方薬の体内の不良水分に対する効果

 腎臓病簡保薬、新茵陳五苓散を投与していたグループはほとんど尿量に変化がなかったのに対して、飼料のみを与えていたものは、エタノールの場合尿量が減少したままで、四塩化炭素の場合1~5日目は尿量が減少し、8日目になってようやくもとの量になりました。

B 腎臓病漢方薬の必要な水分への影響は?

(実験)
 一般的に利尿剤は、身体に不要な水分に限らず、体内の水分を小便として腎臓から排泄させます。
 そこで、腎臓病漢方薬、新茵陳五苓散を投与したマウスと投与していないマウスについて、生理食塩水を一定量投与後、尿量を比較しました。

腎臓病漢方薬の必要な水分への影響

(結果)
 どちらのグループのマウスも、尿量に差はありませんでした。
 即ち、腎臓病漢方薬、新茵陳五苓散は利尿薬とは異なり、体内に必要な水分を無理矢理出させない薬であることが分かります。 

C 腎臓病漢方薬の腎臓障害に対しての効果は?

(実験)
 腎臓には必要な物質を体内に残して、不要な物質を捨てる取捨選択の働きがあります。
 この腎臓が傷害を受けると、身体に必要な栄養分のーつである蛋白質までが尿中に出てきます。
 よって、腎臓に障害を与える物質である酢酸ウラニルを投与した時の、尿中の蛋白星を指標として調ぺてみました。
腎臓病漢方薬の腎臓障害に対しての効果

(結果)
 酢酸ウラニルを投与した後、腎臓病漢方薬新茵陳五苓散を投与したものの方が、蛋白の量が減つていることが分なります。
 又、予め腎臓病漢方薬新茵陳五苓散を投与していたものは、更に蛋白星が少ないことから、新茵陳五苓散に腎臓障害を予防し改善する働きがあることが分かります。

 以上の結果より、腎臓病漢方薬新茵陳五苓散は必要な水分は体内に保存し、不要な水分のみを尿として排泄させる薬であることが分かります。


(注意)
薬局製造医薬品として厚生労働省で認められている漢方処方の配合比や、構成生薬を変更することは、無許可医薬品製造に当たり、法律で厳しく罰せられます。上記の内容の漢方処方は、一般用医薬品として厚生労働省の許可を受け製造されている漢方処方です。


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