●中高年層、特にご用心!生活環境が変化する今、誰もが注意、糖尿病

 今や文明病とまで言われるよう|こなった糖尿病。
 急速な文明の進歩によリ、 又私たちを取リ巻く生活環境(食生活・運動・ストレスなど)が大きく変わったことが、糖尿病を増加させる原因の1つと考えられます。
 特|こ40歳以上の中高年の人では、10人に1人が篇尿病とまで言われる時代になっています。
 まずは、各年代の糖尿病患者数の移り変わりと、年齢別の糖尿病患者数を示したグラフから、糖尿病ついて、考えてみること|こしましよう。

糖尿病患者数の推移

 平成5年度糖尿病患者数は、昭和30年の糖尿病患者数に比ぺると、約26倍も増加していることが分かリます。

年齢別糖尿病治療者数
 又、糖尿病患者数を年齢別で見た場合、40歳代後半から糖尿病患者数が急激しぼ増加し始め、高齢者になるほど、糖尿病患者数が増えてきています。

 糖尿病を長い間放ってお<と、病気は進行し、脳卒中、心筋梗塞、網膜症などの恐ろしい合併症を引き起こしてしまいます。
 そこで、どのように対処すれば糖尿病の進行を抑えられるのかなど、糖尿病対策について、一緒に理解を深めていきましよう。


●どんな病気?糖尿病

 肥満、ストレス、運動不足などが引き金となリ、増加の一途をたどっている糖尿病。
 私たちの周りでよく;耳にする病名ですが、この糖尿病とは一体どのような病気なのでしようか。
 これから詳し<理解してい<ことにしましよう。


○糖尿病はなぜ起こる?

・糖尿病とは

 糖尿病は、食べ物から消化・吸収された糖質(ブドウ糖〕が体内で有効に活用されないだめ、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。

 このブドウ糖が有効に活用されるために、大切な働きをしているのが、膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌される、インスリンというホルモンです。


・糖尿病とインスリン

 インスリンは血糖が上昇(食べ物の消化‐分解が行われる食後など)すると働き出します。
     →血糖降下作用で血液中のブドウ糖を一定に保ちます。

 このインスリンが…
  • 1)全く分泌されない
  • 2)分泌量が不足する
  • 3)働きが悪くなる(インスリンの働きに拮抗するホルモン(成長ホルモン、副腎皮質ホルモン等)の分泌量ガ多くなる)
の状態になると、 インスリンの作用が不足し、血液中のブドウ糖を処理できな<なるため、血糖値が高<なり、 糖尿病を引き起こしてしまうのです。

インスリンの作用


・糖尿病の種類

 糖尿病は、次のような2つの種類に大きく分けられます。
 1つは「インスリン依存型」、もう1つは「インスリン非依存型」です。
 それぞれについてまとめてみますと…

インスリン依存型糖尿病 インスリン非依存型糖尿病
若年型糖尿病
やせ型
一般に年齢は若い(ピーク10~14歳)
症状が明らか(急激)
インスリン注射をしないと、血糖をコントロールできない
成人型糖尿病
肥満型
一般に成年以降(ピーク40~50歳代)
自覚症状が少なく軽症(徐々)
内服薬が有効

 日本では、糖尿病全体の95%以上を占めるのが、インスリン非依存型層尿病です。
 そこで、ここでは主にこのインスリン非依存型糖尿病について、お話をすすめてい<ことにします。

○糖尿病を引き起こす危険因子

 では、どのような原因で糖尿病が発症するのでしようか?
 糖尿病は、加齢や遺伝なども関係していますが、最も大きな影響を与えているのは、肥満‐過食・運動不足と言われています。

肥満 過食 運動不足
肥満 過食 運動不足
精神ストレス 妊娠 内分泌異常、
肝臓疾患.
ステロイド剤等ホルモン剤
etc.
ストレス 妊娠

 このような肥満、週食、運動不足などの環境因子があると、インスリンに対する抵抗性ができやす<なります。
 その上、加齢や体質などの影響が加わることでインスリンの乍用が不十分になり、血液中のブドウ糖を上手|こ処理できずに、血糖値を上げてしまうことになり、糖尿病への経過をたどることになるのです。


○糖尿病の症状は?

 糖尿病の症状は、次に示すような□渇、多尿なとガよく挙げられます。
 しかし、こうした症状は、糖尿病が進行してから現れることが多く、初期ではほとんど自覚症状がみられにくいものです。

口 渇

のどがかわいてお茶など、水気が欲しい。
口渇 頻尿 多尿

トイレに行く回数が多く、1回の尿量も多い。
体重の増減

急にふとリだした。
また、やせだした。
体重の増減 疲労感・倦怠感 疲労・倦怠

疲れやすく、全身がだるい。
皮膚病

皮膚がかゆ<、化膿しやすく、治リ|こくい。
皮膚のかゆみ 神経痛 神経痛

手足がしびれたり、坐骨神経痛で痛む。.

 糖尿病がこわいのは、次項で述べるように、動脈硬化や腎臓病、視力障害などの合併症が起こることです。
 そこで、早期発見のために、定期的な検査を受けることが大切です。
 糖尿病でおそろしいのは、 自覚症状がないからといつて血塘値のコントロールを怠ると、全身に合併症が現れて<ることです。

○糖尿病の合併症は

 では、どんな合併症があるのでしょうか?
 糖尿病の代表的な合併症として、

     網膜症 腎症 神経障害

が挙げられ、これらは糟尿病の三大合併症と言われています。
 では、三大合併症によって起こる症状とは、どのようなものなのでしようか…。

網膜症で起こる症状 視力の低下、目の前に黒いものや、赤い点のようなものが見えるなど。
最悪の場合、失明することもあります。
腎症で起こる症状 だるさ、足のむ<みなど。
最悪の場合、尿毒症を起こし、生命の危険にさらされることもあリます。
神経障害で起こる症状 神経痛、下痢・便秘などが現れやす<なります。

このように、塘尿病を長い間放置すると、全身に:様々な障害が起こりやす<なるのです。

●現代医学での糖尿病対策

 糖尿病の治療は、血糖値のコントロールが基本となリます。
 糖尿病は、食事や運動だけで十分に血糖値のコントロールができない場合には、薬物治療を行っていきます。
 では、糖尿病の病型とその治療法をみてみましょう。

○糖尿病の病型と治療法

治療法 インスリン依存型糖尿病 インスリン非依存型糖尿病
食事療法
運動療法
時間的配分が重要
インスリン投与法に合わせる
治療の主体
経口糖尿病薬 無効 必要に応じて使用
インスリン 治療の主体 必要に応じて使用


 さらに、薬物療法で使われる薬剤は、その作用機序によって、いくつかの種類に分けられます。しかし、薬の量を間違えて多く飲み過ぎたり、空腹の状態が長<続くと、血糖値が下がり過ぎてしまう恐れもあり、注意が必要となリます。
 そこで、よく使われる経□薬、インスリン注射薬と、それぞれの使用上の注意点をまとめてみました。

○経口糖尿病薬使用上の注意

種類 一般名 使用上の注意
スルフォニール尿素剤 トルプタミド
クロルブロバミド
アセトヘキサミド
グリクロピラミド
クリペンタラミド
適応条件を考慮し、効果の有無の確認と共に、副作用を確認しながら使用する。
-副作用-
低血糖・胃腸障害・血液障害・肝障害・皮膚症状
ビグアナイド剤 塩酸ブフォルミン
メトフォルミン
乳酸アシドーシスや胃腸障害等の副作用を有するため、現在はほとんど使用されていない。
α-グルコシターゼ阻害剤 アカルポース
ポグリポース
食後の急激な血糖値の上昇を抑えるが、食前に服用しないと効果が出ない。
-副作用-
低血糖(他剤による低血糖の助長)、胃腸障害_

○インスリン使用上の注意

 低血糖症状の予防と処置が大切。
-低血糖症状-
  脱力感、空腹感、冷や汗、手の振るえ、意識障害、けいれんなど

 現代薬物療法には、長期服用による副作用がみられ、使用の注意が必要です。
 更に、対症療法であることからその治療にも限界があり、糖尿病体質の改善までにいたらないものです。
 そこで、糖尿病の根本治療に漢方療法が、注目されるようになりました。

(注意) 糖尿病薬及びその使用上の注意等に関しては、必ずかかりつけの医師、または薬剤師等にご相談下さい。上記の内容はあくまで、参考情報です。

●漢方薬での糖尿病対策は

 漢方薬の世界では、昔からこの糖尿病を「消渇」(ショウカツ)という病名で呼んでいました。
 
 漢方薬での消渇の意味は?
 「水が小便にたくさん流れるように出て、消え去ってしまう、口渇の激しい病気という漢方的意味で、いわゆる多尿・ロ渇の激しい糖尿病の状態を指しています。」

●消渇=糖尿病?に使われる漢方薬は

 この消渇に、昔から頻用される漢方薬として、次のようなものがありました。

   急性消渇|こは 白虎加入参湯
   慢性消渇|こは 八味地黄丸

 
 また最近では、糖尿病には八味地黄丸、牛車腎気丸というように、八味地黄丸を中心とする漢方薬が、安易に使われるように、なっています。
 

●糖尿病に使われている漢方薬、八味地黄丸に副作用

 しかし、これまで糖尿病に用いられて来た漢方薬は、悪心、食欲不振、下痢などの消化器症状、更に発疹、掻痒(かゆみ)などの皮膚症状などの苦情が多く訴えられるように、副作用の報告が多く出るようになりました。

 なぜ、副作用が出現したのでしょうか?
 ここで、漢方薬「八昧地黄丸」の使用ポイントをまとめてみますと…
  
  1. 胃腸虚弱でないのに疲れ易い(胃腸が強く便秘がち)
  2. 尿利異常(小便が近いか、または遠くて浮腫を生じる)
  3. ロ渇あり
  4. 下腹部(小腹)、足のしびれ(不仁)
  5. 足腰弱い
 これらの条件のあるときに使う漢方薬が八味地黄丸なのです。
 そして、この八味地黄丸は、腎(排水・ホルモン関係)の機能衰退を目標に用いる、太陰病(腎虚症)で実証の時に、使用する漢方薬です。

 そうです!
  体力の低下した虚弱な人や胃腸の弱い人には使用できない漢方薬が八味地黄丸なのです。

●現代人に漢方薬八味地黄丸は合うでしょうか?

 そこで現代人はというと…
 ストレスの多い現代社会の中で、胃腸、肝臓などの内臓が弱っている人が増えています。

 漢方薬療法も使い間違えば副作用が出ます!
 現代人の多くは胃腸が弱い(下痢症の多い)ことを忘れてはなりません。


 そこで、糖尿病の今の苦情を楽にしながら、衰えた各臓器にカを付けて、ホルモン分泌の働きを良くする漢方薬が必要なったのです。


●現代人に合った糖尿病の漢方薬の処方を考える

 先ず、漢方薬の薬学書である神農本草経から、消渇(糖尿病)に使える生薬を探してみますと、
 茯苓・地黄・石膏・五味子・知母知母・麦門冬・人参・黄連・葛根・瓜呂根
などが挙げられます。

 昔から言われる糖尿病には、口渇や多尿などの症状が出ますが、現代人には糖尿病の遺伝的体質以外にも、精神的ストレスによる糖尿病への影響も大きく関わっているようです。
 その結果、現代人の糖尿病には、口渇・多尿の症状や精神的ないらだちによる三焦の高ぶりという熱症状も加わります。三焦の高ぶりと言うのは、自律神経の興奮状態で、内臓を支配する自律神経がいらだっているものを言います。
 
そこで、糖尿病に対する漢方薬を構成する生薬として、
☆口渇・多尿による高ぶりを鎮める生薬
 五味子・瓜呂根・葛根
                などを中心に
☆ホルモンを湧かす生薬
 地黄・当帰・人参
                などや、
☆三焦の高ぶりを鎮める生薬
 黄連など

で、さらに胃腸に負担を掛けないような生薬量と構成を考えれば、現代人の糖尿病に合った漢方薬ができあがります。

(注意)
薬局製造医薬品として厚生労働省で認められている漢方処方の配合比や、構成生薬を変更することは、無許可医薬品製造に当たり、法律で厳しく罰せられます。上記の内容の漢方処方は、一般用医薬品として厚生労働省の許可を受け製造されている漢方処方です。

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