● 基盤となる医学の違いによる鍼灸治療院選び

1.基盤となる医学の違いによる鍼灸治療院選び

 鍼灸治療院というところは、鍼師、灸師という国家資格を持った治療家が、基本的には鍼ともぐさで治療を行うところです。鍼治療や灸治療は、身体に何も足したり、引いたりすることはありません。生体に適度な刺激を与え、もともと身体に備わっている生体防御の力(恒常性維持機能)、すなわち自然治癒力を発動させて身体を快復させる治療法です。
 鍼灸治療院を選びの際、それぞれの鍼灸治療院によって、その鍼灸治療の基盤となる医学に違いがあることを知っておいて下さい。基本的には西洋医学と東洋医学の治療手法分けられるのですが、さらに東洋医学にも日本や中国の伝統的治療手法を基盤としたものや、混合型など、大別すると以下の3つになります。

① 西洋医学的(解剖・生理など)な理論を持って組み立てる治療手法。

② 古来から伝わる東洋医学的(古典的)な理論に従って組み立てる治療手法。

②-1.日本の伝統的鍼灸医学に基づく経絡治療
②-2.中国の伝統的鍼灸医学に基づく中医鍼灸治療

③それぞれ①と②の混合型です。

 西洋医学では、運動器(整形)、消化器(内科)、泌尿器、婦人科、耳鼻科などの診療科目に分かれていますが、アプローチの仕方に違いがあるにしろ、いずれの鍼灸治療院もこれらのすべての疾患を対象として治療しています。

 日本では、統一されたスタイルはなく、おのおのの鍼灸治療院において鍼灸師が独自の手法を持って取り組んでいるのが現実で、中でも得意とする疾患分野は当然あります。どの鍼灸治療院が良いかは、治療方法の違いよりも、患者さんのニーズにいかに応えられるかだと思います。


● 充分な説明と同意は鍼灸治療院選びの重要要素

 現在の医療現場では、お医者さんと患者さんとの間で交わされるインフォームド・コンセント(医師の医療内容を示す説明と治療に対する患者の同意)が重要視されています。この「説明と同意」の重要性は鍼灸治療院としても同じことですから、鍼灸治療院の先生と十分お話しのうえ、納得されるまで説明してもらえる鍼灸治療院選びが大切です。
 また、私の出身した養成校で行われました、鍼灸治療院へ通院された患者さんの満足度に関するアンケート調査では、治療効果はもちろんですが、施術者への信頼度、訴えの理解度、尋ねやすさ、説明のわかりやすさ、などが上位に挙げられています。東洋医学には「気」の概念が根底にあります。説明の中で、気が通じる=コミュニケーションがうまくいき、「この先生なら…」と思っていただけることも、鍼灸治療院選びの大きな要素となるでしょう。

● 衛生管理も鍼灸治療院選びの重要要素

 良い鍼灸治療院選びには、経営規模や設備などの外見よりも、いかに衛生面に配慮(衛生管理)されているかが重要です。

 治療所の清潔さ(シーツなども使い捨てがベスト)、鍼の管理(1回限りの使い捨ての鍼が理想です)、施術者の手指消毒(毎回手洗いと手指消毒が徹底されているかなど)、患部の消毒などに注目して見てください。担当された先生の衛生観念は、施鍼時の消毒の丁寧さで判断できるでしょう。

 患者の皆さんは、ご自身の健康を鍼灸師に預けるわけですから、特に鍼灸治療院の衛生管理については、慎重になって頂きたいと思います。

衛生管理は鍼灸治療院の先生方の治療姿勢を反映するものですか、より厳格な衛生管理を行っているかどうかが、良い鍼灸治療院選びの指標の一つになります。
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