● 東西医学理論の違いによる鍼の診断と治療

  まず、鍼治療は鍼治療のバックグランドになっている医学理論が、西洋医学(現代医学)か東洋医学かによって、診断と治療方法が異なります。

 西洋医学的な鍼治療を行う場合は、医師などの診断を基本において、障害の部位、病態、重傷度などを明らかにして、障害部位を中心に、その近くのツボ(経穴)、障害と関連する神経や血管を目標にしたツボ、経験的に効果のあるツボを中心に治療していきます。

 東洋医学の中でも中医鍼灸学は、患者さんの病気の症候や病理の変化を診断(弁証といいます)し、その証(ショウ)に基づいた治療、標治法本治法、陰陽の調整、補虚瀉実、因時因地因人などに応じた鍼治療を行います。


●手技の違いによる鍼治療

手技の違いによる鍼治療 最も一般的に行われる鍼治療の手技は、鍼を目的とする部位まで刺入した後、10~20分間そのまま置いておく置鍼術(チシンジュツ)と、目的の部位で軽く鍼を上下に動かす雀啄術(ジャクタクジュツ)の組み合わせです。

 中国では、この他、古代文献に示される八法の一つである三進一退の補法の手技である焼山火(ショウザンカ)や、一進三退の瀉法の手技である透天涼(トウテンリョウ)が用いられます。





●他の治療法と組み合わせる鍼治療

鍼に微弱な電流を流す低周波鍼通電治療 特殊な鍼治療として、刺入している鍼に微弱な電流を流す低周波鍼通電治療や、鍼の頭にモグサをつけて燃やす灸頭鍼(キュウトウシン)治療などがあります。
 低周波鍼通電治療は、高い鎮痛効果が期待できることから、頑固な痛みに用いられます。かつて無痛分娩など針麻酔として紹介された鍼治療も、この低周波鍼通電法です。また、神経麻痺やなど神経障害の鍼治療や、パルス通電を利用して筋肉を強制的に動かすことで、神経障害から筋肉の拘縮する事を防ぐ目的でも使用されます。

●特殊な形状の鍼と治療法

円皮鍼(えんぴしん)皮膚内に留めて置く皮内鍼(ひないしん) 鍼治療に一般的に使用される毫鍼(ごうしん)以外にも、皮膚内に留めて置く皮内鍼(ひないしん)や、小さな画鋲のような円皮鍼(えんぴしん)といった鍼治療法があります。これらの鍼は、細く刺入深度も浅く刺激量が少ないながらも、数日間刺入しておくことで、治療効果の持続を狙った鍼です。さらに、皮膚に接触させて刺激を与えるだけで、刺入しない小児鍼治療などもあります。この鍼は、主に子供の治療や、刺激に過敏な大人に対して使用する治療法です。

以上のように、鍼治療に使用する鍼や治療方法には様々な方法がありますが、鍼の治療目的に応じて使い分けたり、組み合わせるなどして、鍼治療が行われます。

サブコンテンツ

このページの先頭へ