● 鍼灸治療院での感染症対策は?

 厚生労働省(当時厚生省)は昭和62年2月に鍼灸を含む医療機関など関係団体に、エイズの感染防止、同年8月にはB型肝炎の予防について通達を出し、感染防止対策の推進の依頼を行っています。
 鍼灸で用いる毫針(ごうしん)から、針に付着した血液や体液に含まれるウイルスによって、感染を起こす恐れがあることが、危惧されています。注射針と比較して毫針に付着する血液や体液は非常に少ないのですが、B型肝炎ウイルスの感染力は非常に強いことから、一度体内に刺入した毫針をそのまま他の人に刺入すると、感染の危険性が生じます。

 従って、鍼灸治療をお受けになる患者さん側からは、次のような鍼灸院の感染防止対策のポイントを参考にされて、感染症対策を充分な配慮がなされた鍼灸院選びをされることが、より安全で有効なな鍼灸治療をお受けるための指標となるでしょう。


① 感染防止のために、鍼灸院内が常に清潔な環境に保たれているか

  鍼灸院内感染の防止対策を徹底 薬剤の使い過ぎから、MRSA、VREなど薬剤耐性菌の出現によって、いわゆる「院内感染」が社会問題となっています。鍼灸の治療室においても、高齢者や糖尿病患者など免疫力の低下した易感染患者に対する院内感染防止対策が必要です。
 易感染患者は、健康人では問題にならないような非病原菌や弱毒菌でも感染症の発症をみますので、より一層注意を払って、鍼灸院内感染の防止対策を徹底することが必要となります。


② 感染防止のために、患者ごとに手洗い、手指消毒は徹底されているか

 手洗いの順序
感染防止のための手洗い、手指消毒





① 流水で洗浄する部分をぬらす
② 薬用石けんを手掌にとる
③ 手掌を洗う
④ 手掌の甲を包むように洗う(反対側も)
⑤ 指間を洗う
⑥ 指まで洗う
⑦ 親指の周囲を洗う
⑧ 指先、爪を洗う
⑨ 手首を洗う
⑩ 流水で洗い流す
⑪ ペーパータオルで拭く 

擦式手指消毒を行う
消毒薬は、エタノール等の殺菌剤に加え、湿潤剤など手荒れを防ぐ薬剤の含まれたものを使用する

③ 感染防止のために、針はディスポーザブル針で1回刺入のみの使い捨てにされているか

  ディスポーザブル(使い捨て)針このため、日本国内での鍼治療では「鍼灸治療における感染防止の指針」に基づいて「ディスポーザブル針」(滅菌済み使い捨て針)やオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)などで滅菌された針を使用することになっています。毫針に付着した血液・体液の汚染の恐れのあるシャーレなどについても、同様のものを使用します。
 しかし、さらに鍼灸感染症に関して厳格な立場を取るならば、毫針に関して鍼灸針製造メーカーが推奨する通り、「ワンユースオンリー」といって、1回刺入のみの使い捨てが理想的です。鍼灸針は主にステンレスで出来ておりますが、繰り返使用、加熱などにより金属疲労を起こし、それ原因となって折針事故を起こす危険性があるからです。

④ シャーレなど、血液からの感染の可能性がある院内器具は、滅菌または使い捨てか

ディスポーザブル(使い捨て)の院内器具血液・体液等の感染性がある院内器具は、できるだけディスポーザブル(使い捨て)の器具を使用します。












⑤ 感染防止のため、タオルは清潔に保たれているか

患者様ごとに、十分に殺菌された新しいタオルを使用します。殺菌された新しいタオル













⑥ 感染防止のため、枕カバーなどは使い捨てになっているか

枕カバーは、ディスポーザブル(使い捨て)感染防止のため、枕カバーディスポーザブル(使い捨て)を使用し、患者様ごとに枕・クッション等は、毎回消毒します。











⑦ 感染防止のためため、ベッドシーツは使い捨てか

  ベッドシーツはディスポーザブル(使い捨て)

 感染症対策のため衛生管理について不明な点がある場合は、積極的に鍼灸師に確認を取るように心掛けてください。万が一、患者さんに対して鍼灸院が取っている感染症防止対策について、正確な返答ができない場合や、不快な態度で応対されることがあったならば、患者さんご自身の安全のため、その鍼灸院は避けられた方が無難です。
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