● WHO(世界保健機関)が鍼灸治療の効果を認めた病気

世界保健機関も鍼灸治療の効果を認めている 世界保健機関(WHO)が1978年に「アルマアタ宣言」を発表してして以来、鍼灸治療や漢方薬治療のような伝統医学に対する門戸が開かれました。そこでは伝統医学に対して、「現代科学的医学の確立及びその普及以前に存在した考え方に基づいた治療法で、かつ今日においていても実践されている総称である」と定義しています。
 その中でも今なお多くの人々が広範囲で実践し、体系的な理論的裏付けのある伝統医学を「世界三大伝統医学」と呼称し、鍼灸医学は中国伝統医学としてその一つに位置づけられています。これを契機に、非正当医学、周辺医学とさげすまれていた伝統医学が、世界的に再認識されるようになりました。
WHO(世界保健機関)で鍼灸治療の効果を認めた病気には、次ぎのものを挙げています。

【神経系疾患に対する鍼灸治療効果】

◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

【運動器系疾患に対する鍼灸治療効果】

関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

【循環器系疾患に対する鍼灸治療効果】

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

【呼吸器系疾患に対する鍼灸治療効果】

気管支炎・喘息・風邪および予防

【消化器系疾患に対する鍼灸治療効果】

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

【代謝内分秘系疾患に対する鍼灸治療効果】

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

【生殖、泌尿器系疾患に対する鍼灸治療効果】

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

【婦人科系疾患に対する鍼灸治療効果】

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患に対する鍼灸治療効果】

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

【眼科系疾患に対する鍼灸治療効果】

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

【小児科疾患に対する鍼灸治療効果】

小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

2.欧米で評価される鍼灸治療の効果

カリフォルニア州鍼灸師養成大学院大学 それから約20年後の1997年、米国では様々な疾病に対する鍼治療の効果を明らかにするため、鍼業界や連邦当局から独立した専門家によって、「鍼療法に関する合意声明書」が作成されました。そこでは、鍼治療の有効性が数多く報告され、その報告が世界的に反響を呼んだのです。「補完・代替医療」(CAM:complementary and Alternative medicine)と呼称されるまでに高く評価され、今日まで研究および医療実践が活発化しています。

 最近の米国では、医療費削減の目的で鍼治療を保険でカバーする保険会社が増加しており、補完代替医療の受診者は、プライマリーケア医の受診者より多くなったという報告もあります。

 右上の写真は、需要が増す米国国内での鍼灸治療専門家を養成するため、私の通っている大学がカリフォルニア州に設立した鍼灸大学院大学です。現地では鍼灸治療の他、漢方薬に関する講座も設けられていました。

 欧州でも、英国では医師会の承認を得て鍼治療の臨床研究が行われ、鍼治療の有効性が報告されました。さらにフランスでは、国民の50%以上の人が補完代替医療を利用しており、医師の約80%が鍼治療の経験があると報告されています。

 日本でも、海外での評価が逆輸入される形で、鍼灸治療など補完代替医療に対する関心も徐々に高まりつつありますが、法律上で鍼灸治療は未だ「医療類似行為」でありますし、療養費払いという形態での健康保険の適応も医師の同意書が必要で、国民にはあまり普及していません。日本での伝統医学の大きな柱である鍼灸治療が、国民の健康に寄与し、これらの補完代替医療によって国の社会保障費が少しでも削減できる私の夢は、まだまだ遠い先のようです。

サブコンテンツ

このページの先頭へ