美容鍼灸臨床研究風景

今年の928日より、明治国際医療大学付属病院において、美容鍼灸のランダム化比較試験を開始しました。

臨床研究のデザインの形には、大きく分けると介入研究と観察研究があります。観察研究には比較の対照がある分析的研究と、対照がない記述的研究があります。記述的研究には、症例報告があります。分析的研究には、測定の時間軸によって、要因から結果を見るコホート研究、結果から要因を見つけるケース・コントロール研究、そして期間ではなく一時点で把握する横断研究があります。

私どもで今回行う研究は、介入研究のランダム化比較試験です。ランダム化比較試験は最もエビデンスが発揮されると言われている臨床研究のデザインで、お薬の臨床試験で良く使われている臨床研究のデザインの形です。薬の効果を測定する場合に、本物のお薬と偽薬(ニセ薬)を対象者に投与して、お薬の効果を調べます。この際、試験を実施する者も、対象者も、本物のお薬かどうかは分かりません。上位で試験を管理している人が、ランダム(無作為)に割り付けて行きます。こうすることで、お薬の効果以外に測定結果に影響を与える要因を、比較対象のグループと均等に振り分けることができ、真のお薬の効果だけを測定することができるようになります。

今回の美容鍼灸の臨床研究では、美容鍼灸を行うグループと、行わないグループをランダムに割り付けて、ランダム化比較試験を行います。

原稿を書いている時点で、半数の方の臨床試験が既に終了していまして、今年の11月いっぱいで、全ての臨床試験が終了する予定です。毎週木曜日に、京都府南丹市にある明治国際医療大学の付属病院「鍼灸センター」に通って、臨床試験を実施しています。大学までは片道2時間半。それも仕事をしながらの研究で、63歳の私には負荷が大きいですが、あと一か月頑張ります。