皮膚の老化
皮膚の働きや老化の原因と、不足しがちな栄養素を上手く摂ることで皮膚の老化を遅らせる方法についてご紹介しましょう。
皮膚の役割は
胃や肝臓などの内臓に比べて、普段あまりにも見慣れている皮膚。これも私たちの身体の大切な臓器の一つで、重さは10~20キロもあり、唯一、外界と接する臓器です。
皮膚にはどんな働きがあるのでしょう。
まず第一番目には、暑さ寒さ、圧迫感、痛みなど身体の外側の情報を取り入れる働きがあり、第二番目には、その外部情報から、身体の内部の環境が一定になるよう、発汗させたり、血行を良くして熱を放散させたりなど、効果を発揮する働きがあります。
第三番目には、筋肉・骨・内臓など内部の構造物を出来るだけ小さな表面積に閉じ込めておく働きがあります。そして第四番目には、美しい容姿に整えて、異性の中枢神経(大脳)から、交配相手として選択してもらう役割があります。
これは、種の繁栄という立場からの働きですね。でも、文明の発達した今日では、種の繁栄という目的を達成した後も、美しい容姿を永遠に保ちたいという欲求が強くなって来ています。これは私たち人間が、種の保存といった生物としての役割を終えた後も、長期に渡って生き続け、知性や教養など精神性に魅了される知的生物であるからにほかなりません。
皮膚の老化の原因は
このように、個体としての働きばかりか、種の繁栄や精神性にまで影響を及ぼす重要な皮膚。
この皮膚の老化はやっぱり気になりますね。
では、なぜ皮膚は老化して行くのでしょう。
究極の答えは、一つ。
皮膚は末梢の臓器、身体から、真っ先に見捨てられる宿命にあるからです。
悲しいかな、脳や内臓、骨や筋肉など生命活動に欠かせない中枢部分に比べて、皮膚は末梢部分でしかありません。
加齢とともに身体機能が低下してくると、真っ先に、プラグを抜かれてしまう運命にあるのです。皮膚にしわが寄ろうとたるもうと、容姿より重要な内臓の機能維持が優先されるのです。ですから、老化は皮膚から始まるのです。
皮膚の老化の過程
では、実際に皮膚がどのように老化して行くのかを見ていきましょう。
皮膚は、表皮、真皮、そして皮下組織と三層構造になっています。皮膚をイメージするには、カーペットで考えるのが一番。カーペットは、何層にも織ってある丈夫な芯地と、その表面の細かな起毛から出来ています。
その起毛にゼリーを流し込んで固めて、その上にサランラップを敷き詰めたと想像して下さい。
この時のカーペットの丈夫な芯地が網状層、その上の起毛が乳頭層、ゼリーが乳頭層の間を満たしている細胞間基質、そして、サランラップが表皮に相当します。
これらの中で、小じわの原因になると考えられているのが、乳頭層(起毛)です。
皮膚の老化が始まると、起毛の部分が剥げたり固まってきたり、またゼリーも乾燥して固くなって来ます。
このように乳頭層が不均質になってくると、表面のサランラップつまり表皮の均質性が失われ所々が折れ曲がり、小じわが発生するのです。
次にほうれい線のような深いしわやたるみができる原因を説明しましょう。
今度はカーペットの固い芯地の部分を想像してみて下さい。
この固い芯地に相当する網状層は、内臓や筋肉を内部に押しとどめておくための丈夫な膠原線維と、皮膚に弾力性を持たすための弾性線維で、何層にもしっかり織られています。
二つの線維は四五度の角度で織られていますので、皮膚に強力な張力と弾力を同時に発生させることができます。
さらに、顔の場合、この線維の中を、表情筋と呼ばれる筋線維も走っていて、皮膚を動かして表情を作ることもできます。
網状層の老化は、まず弾力線維の老化からはじまります。網状層の弾性線維が胎児期に形成されるのに対して、膠原線維は出生後から十五歳位の間に形成されるという時間差が生じます。
先に作られた弾性線維は、後から形成される膠原線維によって歪んでしまうのです。
しかし弾性線維は歪んだ状態でも二五歳位までは、皮膚の弾力を保つ働きは維持されます。
したがって、弾力線維の老化が始まる二五歳が「お肌の曲がり角」なのです。
表情筋による膠原線維老化もあります。表情を作るために、繰り返される筋肉の収縮と弛緩のために、膠原線維は次第に変形し、張力が失われていきます。
このように、皮膚の弾力や張力が失われていくと、皮膚の可動性が失われて、皮膚は内部の構造から離れてしまうのです。
その結果、皮膚が重力に引っ張られて「たるみ」が発生します。
また、筋肉や重力などの負荷がかかった時に、皮膚の変形が上手く分散されなくなり、ほうれい線、眉間のしわなど深いしわが発生するようになるのです。
網状層の線維の劣化以外にも、表情筋自身の異常緊張や拘縮、弛緩なども、皮膚の老化に大きく関わっています。
近年美容形成外科では、しわに対してボトックスと呼ばれる筋肉の弛緩剤が、良く使用されるようになってきました。これは表情筋の緊張や拘縮を緩和して、しわを伸ばしているのです。
皮膚の老化を遅らせるための栄養は?
皮膚を若く保つ為に
皮膚を若く保つため必要なことは、まず身体から皮膚が見捨てられないようにすることです。
皮膚は末梢ですから、内臓を若く健康に保っておけば、皮膚は身体からプラグを外されることはありません。
東洋医学で、皮膚は内臓の鏡とはよく言ったものです。
また、しわの原因となる網状層の膠原線維や細胞間基質の老化を遅らせるには、不足しがちな微量栄養素を十分に供給してあげることです。
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そして、さらに積極的な美容を求められるなら、美容鍼灸をお薦めしします。全身治療で、内臓のバランス調整をしながら、同時に表情筋の動きの改善、皮膚の血行改善をはかることができます。
やはり、美容と健康は切っても切れない関係です。女性の美しさは、心と身体の健康が基本ですね。
本内容は、大阪府 堺市 三砂堂漢方 三砂雅則が解説いしました。